ボクにできることはなに?

 8年くらいアイドルオタクをやってるけど、

 

 「オタクにできることは……」

 

 と思うことが多い。あ、「オタクは黙って積んでればいいんだよ」って人は回れ右推奨です。そういう人は「いいオタク」なので好きにすればいいです。あと、お前は本当にそれだけ積んでるのか?(積んでる人は本当に積んでるからあまりケンカを売らないように)

 

 DDも単推しもガチ恋も一通り経験してアイドル人生3周くらいはしてる気分だけど、そういう達観に至らない自分はまだ徳を積むのが足りないのかもしれない。

 

 もちろん、実際は「できること」なんて山ほどある。CDを買えばいい。ライブを見に行けばいい。物販に行けばいい。遠征をすればいい。プレゼントをすればいい。手紙を書けばいい。生誕の手伝いをすればいい。なんならそれを仕切ってもいい。

 

 僕自身、そうしてきたし、そうしてる。それを否定したいわけでもない。

 

 でも、彼女たちが本当につらそうな時にしてあげられることはないんだよなぁ、とよく思う。それは僕らの役割じゃないんだろう。それは分かってる。彼女たちの周りの大人や友人がしてあげればいいことだ。オタクはそれを踏み越えることはできないのだ。

 

 アイドルが偶像的な「メディアアイドル」ってあった時代はそれでもよかったのかもしれない。でも今のアイドルは人間的な「ライブアイドル」だ。アイドルとオタクの間には「関係性」が存在するのだ。

 

 できることはたくさんあるけど、本当に大切なことはしてあげられない「関係性」。それはどこかいびつなのではないだろうか。

 

 いやそうではない。とある子がこう言っていた。

 

 「家族と私にもつくれない、友達と私にもつくれない、メンバーと私にもつくれない、私と貴方との関係です。ゆっくり大事にしていこうね」

 

 そういうことなんだろうなぁと思う。そして、やっぱりそこに正解はなくて、そのアイドルとオタクがそれぞれの関係性を作っていくしかないのだ。

 

 それでも「できること」を積み重ねていくとそこに澱みが生まれてくる。欲と言ってもいい。みんなそれをどうやって乗り越えているんだろうか。

 

 結局、それを乗り越えられない自分は、答えの出ない、問いかけることのできない同じ言葉を繰り返すしかない。

 

 「ボクにできることはなに?」

 

 と。